11月14日、日本教育工学研究協議会全国大会(JAET)の公開授業でつくば市立竹園西小学校の6年2組で行われた国語科の「プレゼンテーションをしよう」(授業者:塚本慎一郎 教諭)を参観しました。本授業では、児童たちが家庭科で学んだ栄養素の知識をもとにプレゼン資料を作成。
授業の重要な場面でスクールAIが活用されていました。
公開授業の概要
- 学校名:つくば市立竹園西小学校
- 授業者:塚本慎一郎 教諭
- 教科・単元:国語「プレゼンテーションをしよう」
- 対象:6年2組
授業の流れは二段階。
まず、児童同士ほかのグループで資料を見せ合い、互いにアドバイスを送り合います。次にスクールAIを利用して、PDFにした資料を読み込ませ、構成や文面の改善点を確認。児童たちは集中し、AIのアドバイスと自分の考えを照らし合わせながら真剣に修正を進めていました。


ある児童は、AIの「ここをもう少し簡潔にした方がわかりやすい」というアドバイスを見ながら、自分の文章を書き直していました。その真剣な表情からは、「より良い資料にしたい」という意欲が伝わってきます。一方で、AIの意見をあえて取り入れず、自分の考えを優先する児童もおり、「AIは参考だけど、自分の考えがあるから」とはっきり他の児童さんと話しをしていました。
その姿には、未来の社会で主体的に判断できる子どもたちの力を感じ、ワクワクしました。
教室全体はとても活気がありました。6年生ということもあり、自分たちでどんどん進めていく雰囲気があり、時折「ここはこうした方がいいかな?」とお互いに声をかけながら資料を改善していました。
振り返りでは、「AIのアドバイスのおかげで良い資料になった」と書かれた児童もいて、学びがしっかり成果につながっている様子が見て取れました。
参観していた先生方も興味津々で、児童のタブレット画面を覗き込んだり、写真に収めながら操作方法を確認する姿が見られました。「スクールAIって何?」という声も教室のあちこちから聞こえ、授業の新しい取り組みに関心を持っていただけたようです。

授業担当の先生も、
「これまではテキストベースの推敲しかできなかったが、PDFを直接読ませられるのは本当に良い。この授業にはピッタリだった」
と話しており、AIの力をうまく取り入れた授業デザインが印象的でした。

日本教育工学協会(JAET)とは?
日本教育工学協会(JAET) は、1971年4月に設立された教育分野の全国組織で、学校の教員、研究者、教育委員会、そして教育関連企業など、多様な立場のメンバーによって構成されています。主な目的は「教育工学に関する研究活動の交流・協力および情報交換、成果の普及」を通じて、学校教育の情報化とICT活用の促進、ひいては日本の教育の質の向上に寄与すること。
具体的な活動内容としては、
- 毎年開催される全国大会(公開授業、研究発表、実践報告等)
- 研修会・セミナーの開催や研究会の支援
- 学校現場におけるICT導入や授業実践の支援、情報共有と普及
- 会員間でのノウハウ共有や企業との連携など
など、多面的な取り組みを行っています。
JAET 2025では、公開授業校6校(幼稚園〜高校)のうち、つくば市立の小・中学校4校でスクールAIが積極的に活用され、14日午後のパネルディスカッションでも2校が登壇。現場でのAI活用が着実に広がっていることを実感しました。
詳細はこちら:https://smartconf.jp/content/jaet2025/
授業を振り返って
今回の授業で改めて感じたのは、スクールAIの利点だけでなく、児童自身が考える力を育む点です。PDFや画像も読み込ませて構成までアドバイスがもらえる一方で、AIの意見に頼りすぎず、自分の意見を持つ児童がいることで、学びがより深く、多面的になります。
教室で見られた児童たちの真剣な表情や、自分の考えを形にしていく姿からは、AIと共に学ぶ新しい授業の可能性を感じました。スクールAIはこれからも、児童の主体的な学びを支えるパートナーとして、教室での学びを豊かに広げていきます。
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