
英語科で広がる個別最適な学びと教員支援
松本 陵佑 先生
モード名:理想のリーダーはだれ?
対象:中学3年生
教科:外国語
▼ポイント
・「理想のリーダーの素質」から考えさせることで、生徒自身の思考を引き出す
・生徒の考えに応じて、AIが参考となる歴史上・社会的な人物を提示する
・答えを示すのではなく、ヒントを通して英文台本づくりを支援する
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▷モードお試し:理想のリーダーはだれ?
Q:まずは自己紹介をお願いします。
A:札幌市立宮の森中学校 松本陵佑です。教諭12年目、現在はICT担当も兼任しています。担当教科は外国語(英語)です。日々の授業では、生徒一人ひとりの理解度やつまずきに寄り添うことを大切にしながら、ICTや生成AIの活用にも取り組んでいます。
Q:作られているモードの名前と概要、その背景と目的を教えていただけますか?

A:今回作成したのは、「理想のリーダーはだれ?」というアプリです。
中学3年生の英語、NEWHORIZON Unit5の単元終末では、「自分が考える理想のリーダー」について英語でプレゼンテーションを行います。教科書ではガンディが例として扱われていますが、生徒の中には「理想のリーダー」と言われても、なかなか人物が思い浮かばない生徒もいます。
そこでこのアプリでは、まず生徒が考える「理想のリーダーの素質」を引き出し、その素質をもつ人物が過去にどのような人として存在しているのかをAIが提示します。さらに、英文での台本作成が苦手な生徒に対しては、答えを直接示すのではなく、ヒントを与えながら英文作成を支援する流れにしました。
このプロンプト自体も、スクールAIと対話しながら作成しており、その精度の高さにはとても感銘を受けました。
Q:具体的な活用方法を教えていただけますか?
A:単元の終盤で、生徒はアプリを活用しながらプレゼンテーションの準備を進めます。理想のリーダー像が定まらない生徒は、アプリとの対話を通してヒントを得ることで、自分なりのテーマを見つけていきます。
また、英文作成の場面では、文法や表現について質問を重ねながら、自分の考えを英語でどう表現すればよいかを整理していきます。上級者の生徒の中には、関係代名詞を使った長文問題やリスニング問題をAIに作成させるなど、学習を発展させている姿も見られました。
Q:実際の導入効果や教員・生徒の反応はいかがでしょうか?

A:アプリがTT(チームティーチング)の代わりをしてくれたことで、多くの生徒が自分の力でプレゼン作成を進めることができました。その結果、私は支援が特に必要な生徒に、しっかり時間をかけることができました。
生徒からは、「英文の細かい修正ができた」「構成のアイデアを出してくれて助かった」といった感想が多く寄せられています。英語や学習に苦手意識をもつ生徒でも、静かに質問でき、優しく答えてくれるAIは、非常に心強い存在だと感じています。
また、一般的な生成AIを使い、生徒が評価基準をもとに「より良いプレゼン」を研究していた姿には、良い意味で驚かされました。生徒の使い方は、教員の想像以上に広がっています。
Q:導入に際する注意点や浸透するための工夫について教えてください。
A:最も意識したのは、すぐに答えを出さないことです。ヒントを出しながら生徒自身の思考を整理し、最終的にはアプリがなくても英文を作成できる力を身につけてほしいと考え、プロンプトを設計しました。
また、AIは「楽をするためのもの」ではなく、生徒の思考を支えるツールであることを、教員間でも共有していく必要があると感じています。働き方改革の観点からも、教員が本来向き合うべき生徒に時間を使える点は、大きな価値だと思います。
Q:今後の展望についてお聞かせください。
A:今後は、教員が生徒支援のためにアプリを作成するだけでなく、生徒自身が自分の学びのためにアプリを作成できる力を身につけてほしいと考えています。
自分で作ったアプリをクラス内やGoogleクラスルームなどで共有することで、自己肯定感や学習意欲の向上にもつながるのではないかと期待しています。
Q:スクールAIに興味を持っている先生方へメッセージをお願いします。
A:難しそうだと感じる先生も多いかもしれませんが、アプリのプロンプト自体も生成AIに助けてもらいながら作ることができます。実際に使ってみると、意外と簡単だと感じると思います。
さまざまな教科や、学習に苦手意識をもつ生徒への支援には本当に心強いツールです。ぜひ一歩踏み出して、授業で活用してみてほしいです。

