
生成AIを活用した学びの支援
―「書くこと」における動機づけと自立的学習の促進―
三宅倖平先生
アプリ名:食べ物のひみつを教えます
対象:小学校(国語科「書くこと」の学習に取り組む児童)
教科:国語
▼ポイント:
・文章の構成や表現など、判断の多い「書くこと」の学習をサポート
・安心して試行錯誤しやすい学習環境の整備
・教師一人では難しい個別支援を、生成AIによる即時フィードバックで補完
・生成AIを「相談できる相手」として活用し、学習意欲の向上と自立的な学びを促進
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▷アプリお試し:食べ物のひみつを教えます
Q:まずは自己紹介をお願いします。
A:鹿児島県で教員を務めております三宅倖平と申します。
自己調整学習の考え方を基にした授業改善やICT活用に関心をもち、日々教育活動に取り組んでいます。
現在は、NHKの研究委員(NEXT GIGA研)や全国協同・探究学習研究会理事なども兼任しております。
Q:作られているアプリの名前と概要、その背景と目的を教えていただけますか?
A:様々な教育活動においてスクールAIを活用しておりますが、今回は国語科「書くこと」の領域における実践についてご紹介いたします。
文章を書く活動は、内容の構成や語句の選択、文のつながり、表現の工夫など、多くの判断を必要とする認知的負荷の高い学習です。また、自分の考えを文章として表現する過程では、未完成な内容や誤りを他者に見せることへの抵抗感が生じやすく、苦手意識をもつ児童も少なくありません。
さらに、自分の文章の改善点を見つけることは容易ではなく、一人ひとりに応じた個別的な支援が求められますが、教師一人で十分に対応することには限界があります。
こうした課題に対し、スクールAIによる即時的かつ個別的な支援は有効に機能するのではないかと考えました。
そこで本実践では、生成AIを活用した「学業的援助要請環境」を構築し、児童が安心して支援を求めながら学習に取り組めるようにするとともに、学習への動機づけを高めることを目的として実施しました。
Q:実際の導入効果や教員・生徒の反応はいかがでしょうか?
A:子どもたちの文章の質の向上と、学び方の変化の両面が見られました。
文章面では、段落構成の工夫や問いの挿入などの改善が見られ、「書くこと」に対する理解の深まりがうかがえました。また、支援の求め方も、書き方の確認から文章の改善へと変化し、徐々に自立的な学習へとつながっていった様子が見られました。
さらに、生成AIの活用により、対人評価への不安が軽減され、安心して質問できる環境が生まれました。即時的なフィードバックを得られることで成功体験が積み重なり、学習意欲の向上にもつながったと感じています。
これらのことから、書く力の向上とともに、主体的に学ぼうとする姿勢の育成にもつながったと考えています。
Q:導入に際する注意点や浸透するための工夫について教えてください。
A:実践開始前に、スクールAIの基本的な仕組みや特徴について説明を行いました。あわせて、AIが常に正確な情報を提供するわけではないことや、自分で考え判断することの大切さについても共有しました。
また、実際に操作しながら、質問の仕方や入力方法、適切な活用の仕方について学ぶ時間を設け、基礎的なリテラシーの育成を図りました。
こうした事前の理解づくりが、円滑な活用につながったと感じています。
Q:今後の展望についてお聞かせください。
A:本実践は1校の3年生を対象としているため、学級や地域の特性の影響を十分に排除できているとは言えません。今後は、他学年や異なる地域・学校規模でも検証を行い、より広く活用できる可能性を探っていきたいと考えています。
また、今回は単元内での実践にとどまっているため、生成AIの活用による学習意欲の変化が長期的にどのように続くのかについては、引き続き検討していく必要があります。今後は継続的な活用を通して、その効果の持続性についても見ていきたいと考えています。
Q:スクールAIに興味を持っている先生方へメッセージをお願いします。
A:生成AIの教育活用については、「本当に授業に活かせるのか」「子どもたちの学びにつながるのか」といった期待と不安の両方があるのではないかと思います。私自身も、実践前は同じように感じていました。
実際に活用してみると、スクールAIは思考を代替するものではなく、「考えを広げたり,深めたりするきっかけ」や「学びを見直す手がかり」として有効に機能することを実感しました。一方で、その内容をそのまま受け入れるのではなく、子ども自身が考え、判断することが重要であり、そのためには教師の関わりが欠かせません。
スクールAIは特別なものではなく、日々の授業の中に少しずつ取り入れていくことができます。小さな実践からでも、子どもたちの学びに変化が生まれるはずです。
ぜひ無理のない形で取り入れながら、子どもたちとともに、よりよい学びを探っていく一助としてご活用いただければと思います。

