
子どもたちが自ら問題を作る!
スクールAI活用で深まる算数と国語の学び
堤 大樹 先生
モード名:【国語】漢字テスト作成
対象:小学3年生児童
教科:国語(算数他)
▼ポイント
・漢字テスト作成は、短い時間でも取り組みやすく、すぐに取り掛かることができる。
・親しみやすい漢字学習を通して、AIがどのようなものか知ることができる。
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※掲載準備中
Q:まずは自己紹介をお願いします。
A:市の川小学校で3年1組の担任をしている堤大樹です。教員歴は9年目になり、これまで2年生、3年生、4年生の担任を務めた経験があります。また、以前情報主任を担当しており、その経験からスクールAIの活用を任されました。高校時代からパソコンに触れる機会が多く、GIGAスクール構想が始まった際にはタブレットの設定や、スプレッドシート・ドキュメントの活用方法についても学びながら実践してきました。
Q:作られているモードの名前と概要、その背景と目的を教えていただけますか?

A:現在、スクールAIでは4つのモードを子どもたち向けに公開しています。特に活用しているのは、
- 国語の漢字テスト作成モード
- 算数の応用問題作成モード(もともとは数学用でしたが、小学校用に算数に変更)
3年生の担任をしているため、まずは国語と算数の分野に特化した活用がしやすいと考えました。漢字の学習や算数の問題演習は、子どもたちにとっても馴染みやすく、日常的に活用しやすい内容だからです。子どもたちにとって身近な学習内容からAIに慣れてもらい、より学習に積極的に取り組んでもらうことを目的としています。
Q:具体的な活用方法を教えていただけますか?
A:主に算数の授業で活用しています。授業で教科書の練習問題を解いた後、得意な子と苦手な子で進度に差が出ることがあります。得意な子はすぐに問題を解き終え、その後の時間を持て余してしまうことが多いのですが、スクールAIを使うことで、追加の応用問題を自動で生成し、自分に合ったレベルの問題に挑戦することができるようになりました。 また、教科書に掲載されている補充問題だけではなく、スクールAIを活用することで、自分専用の問題を作ることができるため、より楽しく取り組めると感じているようです。
Q:実際の導入効果や教員・児童の反応はいかがでしょうか?

A:子どもたちは、AIに問題を作ってもらうことに興味を持ち、楽しんで活用しています。1人で補充問題に取り組むよりも、AIを通じたやり取りをしながら問題を解くほうが学習意欲が高まるようです。また、スクールAIの活用を通じて、AIの出力が必ずしも100%正しいわけではないことを学ぶ機会にもなりました。
一方で、教員の活用についてはまだ限定的です。教育委員会の指示もあり、校長先生や教頭先生から職員会議などでスクールAIの活用を促す声掛けはあるものの、実際に日常的に使っている先生は一部に限られています。ただし、一部の先生は文章作成のたたき台として活用するなど、徐々に広がりを見せています。
Q:導入に際する注意点や浸透するための工夫について教えてください。
A:導入にあたって、子どもたちに使わせるまでの準備が課題になりました。具体的には、タブレットの学年・クラス別の一覧表が未整備だったため、それを作成する必要がありました。このような基本的な環境整備を早めに整えることで、よりスムーズに活用を開始できると感じました。
また、教員への周知も重要です。タブレットの導入時と同様で、新しいツールに対して積極的に使う先生と、導入に慎重な先生がいます。研修や実際の活用例を共有することで、より多くの先生に関心を持ってもらうことが大切だと思いました。
Q:今後の展望についてお聞かせください。
A:子どもたちがAIを使って学習することが当たり前の時代が来ると考えています。現在、大学生でも就職活動の際にAIを活用して履歴書の書き方や面接対策をしているケースを聞きます。将来的に、子どもたちがAIを自然に活用し、必要な情報を的確に得られるようになることが理想です。
学校内での活用もさらに進めていきたいと思っています。もし次年度もスクールAIを使用できるのであれば、もっと計画的に導入し、子どもたちがより積極的に活用できる環境を整えていきたいと考えています。
Q:スクールAIに興味を持っている先生方へメッセージをお願いします。
A:興味を持ったら、まずは実際に使ってみることをおすすめします。私自身もスクールAIの数学の応用問題を算数に変更しましたが、最初は思ったようにうまくいかないこともありました。しかし、使って試行錯誤することで、どのように指示を出せばいいのかが見えてきます。ぜひ、いろいろと触って試しながら活用方法を見つけていただければと思います。