AI先生との対話で深める自己理解と進路探求
株式会社成基 オンラインフリースクールシンガク 村上実優先生
モード名:AIの村上先生とお話しよう!ver.4
対象:中1~中3
教科:なし ※面談のみ
▼ポイント
シンガクでは、不登校の子どもたちが生成AIを活用して自己理解を深め、心理面およびキャリア面での不安を解消することを目指しています。そこで、子どもたちは、「AIの村上先生」との週1回以上の会話を通じて内省を行ないます。更に、シンガクで実施している週1回の担当コーチとの個人面談でさらに内容を深堀りし、自己理解を深めることができます。
Q:まずは自己紹介をお願いします。
A:オンラインフリースクールシンガクの教室長を務めている村上実優と申します。シンガクは小学4年生から中学3年生の不登校のお子さんを対象としたフリースクールです。現在、教室長としてスクール運営に携わっています。
Q:作られているモードの名前と概要、その背景と目的を教えていただけますか?
A:使用しているモードは、私のAIバージョンということで「AIの村上先生とお話しよう」というモードです。このAIモードは、子どもたちが話したい内容を自分で選択し、自由に対話できるシステムです。例えば、最近楽しんでいることや進路相談など、さまざまなテーマについて対話することができます。AIの村上先生は、子どもたちの興味や 選んだテーマを深く掘り下げながら、話を聞いていきます。
Q:具体的な活用方法を教えていただけますか?
A:主に内省と自己理解の深化に活用しています。具体的には、中学1年生から3年生を対象に、週1回以上、個別授業の前にAIの村上先生と対話する時間を設けています。子どもたちは、AI先生との対話を通じて自己内省の機会を得て、自己理解を深めています。例えば、進路相談や最近の悩み、楽しんでいることなどをAIと話し、その内容を後の個別授業で担当コーチと共有し、さらに深く掘り下げていきます。
Q:実際の導入効果や教員・生徒の反応はいかがでしょうか?
A:子どもたちは非常に興味を持って取り組んでいます。特に、いつでも対話できる点や、新しい知識を提供してくれるAIの特性に魅力を感じているようです。子どもたちは、AIの村上先生との対話を楽しみ、個別授業で対話の内容を熱心に共有してくれます。
Q:導入に際する注意点や浸透するための工夫について教えてください。
A:注意点は、リアルな村上先生とAIの村上先生の違いを明確にし、子どもたちに伝えることです。子どもたちには、それぞれの特性を理解してもらうよう心がけています。AIだからこそ話せること、人間の先生だからこそ話せることの区別を意識できるよう伝えています。
Q:今後の展望についてお聞かせください。
A:これまでは主に中学3年生の進路相談に焦点を当てていましたが、今後は対象を中学1年生、2年生にも拡大し活用できるよう、モードをさらに多様化させています。その中で、その他の学年への効果や、AIと人間の教師が協働することで、不登校支援の新しい可能性を探っていきたいと考えています。最終的な目標は、生徒たちの自己理解を深め、社会的自立に向かっていけたらと思っております。
Q:スクールAIに興味を持っている先生方へメッセージをお願いします。
A:まずは触ってみてください。私自身、AIを最初は難しく感じていましたが、実際に使ってみると新たな可能性を感じました。これまで自分の範囲では難しかったサポートが、スクールAIの活用によって広がりました。ぜひ、自分の教育現場で活用できる可能性を探求してみてください。