徳島県立みなと高等学園 今井 明人先生

基本情報:徳島県立みなと高等学園

今井 明人 先生

モード名:お助けみなっち【ライフサポート】【キャリアサポート】【メンタルサポート】
対象:特別支援学校 高等部
教科:情報デザイン科 専門教科
▼ポイント
・AIを活用した「ライフ」「キャリア」「メンタル」の3つのサポートモードを開発
・特にキャリアサポートは進路先の面接練習に役立っている
・今後は生徒自身がプロンプトを設定・カスタマイズできる仕組みを目指す

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A:私は徳島県立みなと高等学園で情報デザイン科の専門教科を担当しています。本校は、発達障害のある生徒の社会的・職業的自立を支援する特別支援学校として平成24年4月に開校しました。商業ビジネス科、情報デザイン科、生産サービス科、流通システム科の4学科を設置しています。また、情報課の課長としてICT推進にも携わっており、2024年度に本校がDXハイスクールに認定されたことを受け、デジタル人材育成や地域貢献のためのリソースセンターの準備、ICTを活用した合理的配慮の実践などに取り組んでいます。その一環として、生徒をサポートするAIツールの開発を進めています。

A:本校では、生徒を対象に「ライフサポート」「キャリアサポート」「メンタルサポート」の3つのモードを開発しました。これらは、本校のマスコットキャラクター「みなっち」が会話形式で生徒をサポートします。スクールAIにはGPT-4やClaudeなど複数のAIを搭載し、生徒が自分に合ったAIを選べる仕組みになっています。
開発の背景としては、発達障害のある生徒が日常で感じる困難さをAIで支援したいと考えたことがあります。最終的には、生徒自身がこうしたツールを開発・活用し、同じような悩みを抱える人たちにも役立てられるような仕組みにしたいと思っています。

A:特に活用されたのが「キャリアサポート」モードです。本校の3年生は進路先で面接を受けるため、その対策としてAIとの模擬面接を行い、質問への受け答えや話し方を練習しました。また「メンタルサポート」モードでは、気持ちが落ち込んだ際にAIと対話することで、カウンセリング的な効果を期待していますが、現在はまだ試行錯誤の段階です。今後はさらに使いやすいように改良していきたいと思います。

A:生徒は会話形式で利用できることに興味を示し、積極的に活用しています。ただ、レスポンスにタイムラグがあったり、使用するデバイス(Macはスムーズ、iPadは若干遅延)によって体感が異なる点が課題です。また、生成AIの利用が学校全体に広がっていないため、環境整備が必要だと感じています。一方で、面接練習など具体的な活用場面では非常に効果的で、生徒自身も役に立つと実感できています。

A:AIを日常的に使う機会を増やすために、積極的な声掛けを行っています。また、自治体ごとにAI導入の環境が異なる点も課題です。今回、株式会社みんがくとの連携で、カスタマイズ性の高いスクールAIを導入できたことは大きな利点でした。無料版のAIではカバーできない部分が多いため、カスタマイズ可能なツールの重要性を再認識しました。

A:今後は、生徒自身がAIツールを自らのニーズに合わせて作成・改善できる流れを作りたいと考えています。現在は教師がプロンプトを設定していますが、生徒自身がプロンプトを調整できる仕組みを導入し、自分の関心に合った支援方法を選べるようにしたいです。このような取り組みが、生徒のメタ認知能力の向上にもつながると期待しています。また、こうした取り組みを学校外にも発信し、他校や教育機関でも活用してもらいたいと思っています。

A:自治体によっては生成AI導入の環境整備がまだ不十分なところも多いですが、スクールAIのようなツールがあればAIを身近に取り入れやすくなります。スクールAIは学校ごとのニーズに合わせてカスタマイズできるのが最大の魅力です。これからの教育現場ではAIの活用が欠かせない存在になっていくと思いますので、ぜひ一度試していただきたいです。

徳島県立みなと高等学園では、発達障害のある生徒の支援として「ライフサポート」「メンタルサポート」「キャリアサポート」の3つのAIモードを開発しています。特にキャリアサポートの面接練習は、生徒に大変役立っており、今後は生徒自身がプロンプトをカスタマイズできる仕組みを目指しています。スクールAIのカスタマイズ性は高く評価され、導入のハードルが低く、自治体や学校ごとのニーズにも対応可能です。生成AIの活用が教育の新たな可能性を広げています。